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筋トレ×文学!「我が友、スミス」が面白い!

 

こんにちは。フィットネス業界に特化した広告代理店・マックスヒルズ制作部の藤林です。

先月、第166回 芥川賞の受賞作品が決定しましたね。

受賞には至りませんでしたが、候補作の中で

フィットネス業界に関わる方必読!の1冊がありました。

 

 

石田夏穂さん著「我が友、スミス」

我が友スミス

 

筋肉アイドル・才木玲佳さんの筋肉美が目を引く書店POPで

気になっていた方も多いのではないでしょうか。

タイトルの「スミス」は業界の方におなじみ「スミス・マシン」のことです。

ジムでトレーニングをしている方は、最初の一文から一気に惹き込まれるはず。

 

1:あらすじ

会社員女性・U野は、通っているジムで

ボディビル界の重鎮・O島に大会に出ないかとスカウトされます。

 

O島の設立したパーソナルジムに入会し、

大会出場に向けてトレーニングを開始するU野でしたが、

大会で結果を出すためには筋肉だけでなく「女性らしさ」も鍛えなければなりませんでした。

 

O島、パーソナルトレーナーのT井、元ミスユニバース日本代表・E藤の指導のもとに

大会に向け準備をしていきます。

ピアスの穴を開け、脱毛に通い、日焼けし、ビキニを選び、12センチハイヒールと格闘する。

 

彼女のストイックな日々を追うにつれ、

読んでいるこちらも緊張しながら大会当日を迎えます。果たして結果は…?

 

2:ここが推しポイント!

推しポイント

主人公・U野の一人称視点でお話が進んでいきますが、

彼女の語り口がユーモアがあって比喩のセンスも独特で面白い!

例えば、ポージングレッスンのために、スタジオの鏡の前で自分の身体を観察する場面。

 

体脂肪率が十四パーセントを切った時、私の腹筋は必要以上にイケメンであることが知れた。

腹斜筋も、ちょっと落ち着けというほどすごい盛り上がりだ。

さらに顔を鏡に向けたまま身体を横に捻ると、三角筋には立派な筋が出来ていた。

身体の持ち主をぎょっとさせつつも、あたかも最初からありましたと言わんばかりの存在感だ。(P83より引用)

 

トレーニングもさることながら、食生活に関しても私はマジだった。(略)

世間では過度の真面目は馬鹿にされがちだが、私の唯一にして最大の長所が、

こんなところで日の目を見たのである。(略)この競技と自分との相性が、

馬鹿真面目という一点において、皆既日食レベルにピタリと一致する様だった。(P53より引用)

 

トレーニング描写も詳細に書かれていて、スルスルと頭に入り情景が想像できました。

作者の石田夏穂さん自身も約2年前からジム通いをされており、ボディビルの世界に興味を持ったそうです。

 

3:装丁デザインにも注目!

鎌倉殿の13人

「鎌倉殿の13人」ロゴ(C)NHK

 

 

装丁は、今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の題字ロゴデザインも手掛けられた佐藤亜沙美さん。

明朝体の配置がスタイリッシュでかっこいいです。

 

4:こんな方におすすめ

ボディビルの世界を知りたい。

新しいことにチャレンジしたい。

何かに夢中になりたい。

世間の常識に疑問がある。

シスターフッド小説が読みたい。

別の生き物になりたい。

 

全てのトレーニー、フィットネスに関わる方におすすめ!

2022年の今まさに、読みたい小説だと思いました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

※写真はイメージです。